インシュランスはカジノの罠①~ブラックジャック必勝法
インシュランスは違うゲームである。
インシュランス、インシュアランスとはディーラーの表向きのカードがAである時、使用ができる特別ルールである。
インシュランスを宣言すると「保険」として賭け金の金額に対し半額を差し出す。ディーラーがブラックジャックだった場合は差し出した保険が2倍になって戻る。ブラックジャックでなければ保険は戻ってこない。
実はこのインシュランス、賭ける意味はない。全くないわけではない。ある特定の条件下では有効であるが、ごく限られた条件下でのみである。通常のカジノではその効果は発揮されず、意味はない。その条件下におかれることはこの先ないと思う。先に言うと1デッキで全プレーヤーのカードを確認できる場合であり、なおかつプレーヤーのカードが9以下であった場合である。この場合は有効であるがオンラインカジノではまずあり得ない。本場のカジノに行ったとしても1デッキでプレーしているところは現在ほぼない。
では、実際のオンラインカジノを想定して話そう。
「保険」という名前に惑わされがちであるが実際にはブラックジャックの本来の賭けとは全く別物である。
このインシュランス、ディーラーがブラックジャックであるかどうかに対し賭けているのだ。
例えばカードが配られる前に賭けた金額がチップ10枚だとしよう。この10枚は何に対して賭けているか。もちろんブラックジャックのゲームにおいての賭け金として賭けている。そこでディーラーの表向きの手札がAであった場合、インシュランスを宣言すると5枚のチップを、最初に賭けた10枚とは別で差し出すことになる。この時点であなたの支出は15枚。
しかし、この5枚は最初に賭けた10枚のゲームとは別のゲームである。つまり、ディーラーの手札がブラックジャックかどうかに対し、5枚を賭けているのである。最初に始めたゲームとは全く別のゲームを行っていることが分かるだろうか。1度のターンの中で2つのゲームを同時進行しているということになる。
ここで注目したいのは、2つのゲームを同時に進行しているにもかかわらず、インシュランスの保険額は必ず本来ブラックジャックに賭けた賭け額の半分でなければならないという点だ。この賭け金を決められているという制限が、インシュランスを全く無意味なものにしているのである。