確率~パスカルとフェルマー
1654年、数学者パスカルのもとにある貴族から相談が届く。
この貴族とはシュバリエ・ド・メレ。ギャンブル好きで有名な貴族である。彼は次のような質問をした。
「あるゲームを途中で止めたときに、賭け金の分配はどのように分けるのが正解か。ゲームは3勝した方が勝ちとなり、2勝1敗の時点で止めてしまった。勝てば賭け金をすべてもらえるゲームだ。」
さて、この問題が皆さんに解けるだろうか。
パスカルはこの質問について、数学者フェルマーへ手紙を送った。
そして結論は下記のようになる。
プレーヤーをA、Bの二人としよう。Aが2勝1敗した状態で止む追えずゲームが中止となる。先に3回勝利した方が勝ちなのだから、ゲームの回数は最大で5回である。
ここで4回目と5回目のゲーム結果について見てみよう。
4回目 5回目
A勝ち A勝ち=Aの勝ち
A勝ち A負け=Aの勝ち
A負け A勝ち=Aの勝ち
A負け A負け=Aの負け
上の図を見てみるといかがだろうか。5回目までやってみたときの勝率は4分の3でAの勝ちとなる。つまり、賭け金の分配は4分の3、75%Aが受け取るのが正解になる。
このメレの質問こそ確率誕生の始まりである。
この後もメレとパスカルは質問をしては回答をすることを繰り返した。「ド・メレの2つのサイコロ」という質問はギャンブルの業界で最も有名な質問とされている。これについては後で記述しよう。
このギャンブル好きの貴族から確率が生まれ、今日学校で教えられている。しかし、学校で教えられるのは確率の計算方法。ギャンブルをプレーする上での確率の根本的な概念はもちろん教えてくれない。
例えば、ルーレットの赤と黒、出る確率はどれくらいかわかるだろうか。私の記事でも頻繁に確率を明記しているが、実は正確ではない。申し訳ないとは思うが全く無知な人が少しでも早く成功するため、あえてわかりにくい記述を止めたまでだ。ご理解いただきたい。それはさておき、赤と黒が出る確率は50%ではない。
どちらかに賭けてどちらかが出る確率はそれぞれ19分の9である。ずいぶん中途半端な数字だ。パーセンテージで言うと47.37%。これはアメリカンタイプのルーレットに限る話だが、ルーレットのホイールには数字が38個ある(0、00含む)。このうち赤と黒はそれぞれ18個。38分の18。つまり19分の9となる。