必勝法の公開③
最初に大きく負けた私はそこからあらゆる情報を探した。マーチンゲールである程度勝つことができた。まだその時はたまたまだと信じ込んでいた。それからテクニックを知っては次々と試すだけだった。もちろんそれで勝てるわけはない。テクニック単体で挑んでいたのだ。
オンラインカジノを経験している人ならわかると思うが、テクニックを組み合わせるなどそうそう思いつくことではない。情報源はインターネットと書籍くらいしかない。そこにはベースとなるテクニックしか載っていない。テクニックを組み合わせるなど思いもしないのだ。経験もなく知識も限られていては手に入れた情報を試す他なかった。数学者でもない限りほとんどの初心者プレーヤーは同じ経験をするだろう。
何度も失敗しては、新しいテクニックを見つけた。
救いだったのは私の楽観的な性格だった。何度失敗しても諦めるという選択肢はなかった、むしろ次はどうすれば勝てるかを考えるというのが習慣になっていた。
その当時はまだ余裕があった。仕事もしていたし、毎月カジノに投資できるお金も限られていた。生活は出来ていたので、裕福ではなかったが、カジノで負けても焦りはなかった。
手に入れるテクニックを試すうちに、先輩の言葉を思い出した。今考えると、60%法を先輩は自分の考えで自然と実行していたのだろう。この60%法が予想以上に当たった。
「これならいける」
そう確信した。60%を基に私は数々のテクニックを作り出した。それらはどれも単純なものばかりだが実に確実性が高く有能なものばかりだ。
しかし、本当に大変なのはそれからだ。
過信にあふれた私は仕事を止め、オンラインカジノだけで稼ぐことにした。大きな失敗だった。他の記事でも書いたが、それからは希望どころか毎日が絶望の繰り返しだった。試しては失敗し、お金がなくなれば日雇いのバイトをする。手に入れたお金でまた挑戦する。いつももう少しのところで失敗する。何十時間も何百時間も勝って、最後の最後で失敗するのだ。
毎日テクニックや情報を探しては自分で数列を作って試す日々だ。次第に情報は限られていく。同じ情報だからだ。それくらいから間違った情報にも気づけるようになった。
オンラインカジノのサイトはどれも同じ情報しか載っていない。中には数列が間違っているものすら出てくる始末だ。これでは全く役に立たない。頼りに出来るのは自分の経験と計算だけだった。それしかなかった。そうなればもう自分で見つけるしかない。
今まで何千というテクニックを開発した。毎日開発しては何一つ成功しない日々が何年も続いたのである。