確率~期待値
期待値はギャンブルの世界では、プレーヤーが得られる利益の平均を指す。期待値の対義語で控除率という言葉がある。カジノに限らずギャンブル経験者であれば聞いたことくらいはあるだろう。
実はこの期待値、誤解されることがよくある。
期待値は計算が非常に複雑で、賭け額、配当、ゲーム回数などにより変わる場合がある。正しく計算するのは、私のような平凡な知識しかない人間にはきつい。計算法は覚える必要はない。今後テクニックを作る上で特に不便なわけではない。
しかしながら、誤解して覚えておくのは不利だ。なぜなら、インターネット上にはこの期待値、もしくは控除率という言葉を使って甘い誘い文句があふれているからだ。しっかり計算された期待値でなければ信用してはいけない。どの数字を信用すればいいかは後ほど示そう。
まずは期待値を正しく理解しなければならない。
私は以前、控除率について説明した。オンラインカジノのサイトでは期待値よりも控除率の方がメジャーだ。皆控除率について説明する。
私は控除率について「個所率が5%なら、100回ゲームをしたら95回勝てる」と説明した。つまり、期待値はその反対、95回のゲームに勝つことができるということだ。簡単に言うとそう言うことだが、厳密には少し性質が異なる。
期待値の計算方法にはルベーグ積分、関数、変数変換など難しい数学を使わなければならないが、単純化すると実際に戻ってきた金額を実際に賭けた額で割って100かければ%で出すことができる。期待値95%を言葉で説明するなら、100円を100回賭けた結果、9500円になったということである。同じに見えるかもしれないが、重要なのはこれが平均であるという点だ。期待値によって示される数字はあくまで平均であり、ゲーム確率からその平均を算出したのが期待値なのである。無論、必ず9500円になるとは限らない。0円になってしまうこともあり得る。全てのゲームに勝つこともあり得るのだ。
パチンコの広告によくつかわれるのが期待値80%と言ったような文句だ。しかし、これは間違っている。期待値とは実際に賭けた数で計算しなければならない。ここで言う実際に賭けた数とは、パチンコで言う玉を入れた数。そして手元に戻ってきた数で割るのだが、これはパチンコ台から出てきた玉の数。玉の出し入れを考慮せずに結果だけで示されたこの数字は期待値とは呼ばないのである。
例えば1000円持っている人が1回100円のゲームをして、最終的に600円になったとすると、期待値は60%。これは正確ではない。重要なのはゲームを何回行ったか。10回行ったなら期待値は60%だ。しかし、5回しか行っていないなら実際に賭けた金額は500円になる。500円が600円になっているのだから、期待値は120%。逆に20回行っているなら2000円賭けているから期待値は30%。
そしてこれは平均であることを忘れてはならない。