確率~パリ・ミューチュエル・システム
前回の記事で日本のギャンブルがいかに理不尽であるかを説明したが、実は他にも理由がある。日本の公営ギャンブルは賞金の支払い方がカジノとは異なる。パリ・ミューチュエル・システムという方式を採用しているのだ。
パリ・ミューチュエル・システムとはプレーヤーが賭けた賭け金の中からあらかじめ手数料を徴収するシステムのことだ。賭け金の総額から引かれる額が決まるのだが、少なくとも10円未満は切り捨てされ胴元の利益となる。このやり方であれば胴元は危険を冒さずにギャンブルを運営できる。プレーヤーが勝っても負けても利益が入るというわけだ。
意外と知らない人が多いのだが、公営ギャンブルの売り上げは年間数兆円。そのうち数百億円もの金額がこの手数料となっている。数学者の中にはこれを「ぼったくり」と呼ぶものもいる。
まさにその通りで、カジノはブック・メーカー・システムと言う方式を採用している。この方式は、とてもシンプルでこちらの方が馴染みやすいだろう。賭けをして勝てば、賭けた分の金額が配当として返ってくる。100円賭けたのなら、2倍のゲームでは200円、3倍のゲームであれば300円返ってくる。手数料などひかれずにそのまま返ってくるのだ。これこそフェアなゲームと言える。つまり、カジノは負ける日もあるのだ。プレーヤーが勝てばカジノに利益は入らない。危険を冒しながら運営しているのである。
馬鹿げた控除率に、億単位の手数料、ここまでやっておきながら彼らはカジノを認めない。さらにギャンブルは人生をダメにするとまで言い出す始末だ。
純粋にギャンブルを娯楽として楽しむプレーヤーまでも裏切る行為に他ならない。
ここまで期待値と控除率について説明してきたが、他のサイトに比べてその数値がいかに複雑であるかが説明されていたと思う。重要なのはその計算方法ではなく、事実だけを拾う知識を身につけることである。安易にそれらしい数字を並べられただけで信用してはいけない。それらは賭けさせるための情報であり、勝つための情報ではないのだ。
負けても結局自己責任になってしまうのだから。