確率~大数の法則の弱点⑤
大数の法則が影響してくる時間を延ばす方法は他にもある。
賭ける金額を変えることである。
数学の話をすると説明するには少しマニアックな数学知識が必要になる。理解する必要はないので省略する。
簡単に説明しよう。
ブラックジャックはカードを使ってプレーする。従属事象のゲームである以上、少なからず前のゲームが次のゲームに影響するのは言うまでもない。よって期待値がゲームの進行により変わるのだ。新しいデッキに変えられてから最初の20回と、100回目のゲームでは出てくるカードに偏りが生まれている。このゲームに対し毎回チップ1枚を賭け続けた場合と、周りのカードを観察しながらピンポイントで賭けた場合、同じ回数賭けた結果どちらが勝ちやすいだろうか。運が良ければ毎回賭け続けて、毎回勝ち続けるかもしれない。しかし、そうそう勝ち続けられるものでもない。
反対にピンポイントで狙って賭ける方は、どういう条件で狙うかにもよるが、安定して利益を得ることも多いだろう。普段はチップ1枚で賭け、ここぞというときに5枚、10枚賭ける。自然と勝った時の利益は多くなるのがわかるだろう。
賭ける範囲を狭くすれば、同じ金額を得るために使う金額が少なくなっていたが、ここでは同じ回数勝った時の利益が変わってくるのだ。
これを組み合わせると、つまりこういうことになる。少ない金額で勝った時の利益を大きくする。
理想的な勝ち方であると同時に不可能に聞こえるやり方でもあるが、数学的には理想的な賭け方である。
実は単純に実現することができる。要はここだと思ったときに狭い範囲で大きく賭けるのである。これにカジノのテクニックを追加する。例えばディーラーが数回連続でいいカードを出したら、次は大きく賭ける。そこで負けても数回以内には勝てるはず、先ほどの倍で賭ければ次は勝つかもしれない。
現実はそう単純ではないが簡単に説明するとそういうことだ。これは少ない回数で勝った時の利益を増やすやり方にマーチンゲール法を組み合わせた例である。これだけでもテクニックの幅がかなり広がるのではないだろうか。
マーチンゲールを組み合わせるのはあまりお勧めしないが、他のテクニックで色々と試してみてほしい。