確率~大数の法則の弱点④
ベアビッグ法をご存じだろうか。以前紹介したが、簡単に言うとルーレットにおいて37個(ヨーロピアンタイプ)ある数字のうち35個に賭ける方法だ。94.5%法とも呼ばれている。
このベアビッグ法に代表されるように、ルーレットでは幅広く賭けるテクニックが非常に人気がある。
しかし、大数の法則による負ける確率から言うと、このやり方は不利だ。賭ける範囲が広がれば広がるほど不利になる。
大数の法則から長く逃れるには少ない回数で賭けることと説明した。例えば赤と黒どちらかにチップを一枚35回賭けるのと、1個の数字に35カ所賭けるのでは確率的な回数は同じ計算になる。チップ1枚を35枚使って賭けを行ったとみなされるのだ。単純に考えればわかると思う。赤と黒どちらかに35回賭けるのとベアビッグ法を1回行うのとどちらがいいか。
ここで比べてほしいのはリスクではない。期待値である。つまり利益だ。ベアビッグ法では勝ってもチップ1枚。しかし、赤と黒に賭けた方は負けるリスクも高くなるが、利益はベアビッグ法1回に比べ大きく異なる。倍以上の利益を得られると容易に想像できるだろう。ベアビッグ法で賭け続ける方が大数の法則の影響を受けやすいのだ。
同じ回数プレーして最終的な結果が控除率と同じ割合、つまり97%に資金が減っている状態になるのがベアビッグの方が早いということになる。
賭ける場所が少なければ少ないほど大数の法則が影響してくる時間を先延ばしにすることができる。大数の法則は回数ではなく金額と利益でカウントするのである。
この方法であれば金額を大きくする必要もない。ただし時間がかかってしまうのでやはり金額が大きい方が有利ではある。
ほとんどのプレーヤーは幅広い範囲にベットすることでリスクを軽減し、長く勝てるテクニックを探すが、本来であれば狭いベット範囲で長く勝てるゲームの方が有利である。
負けないテクニックを探した結果、そう言った間違った解釈が常識となってしまった。重要なのは負けないことではない。
1枚のチップを得るためにいくら賭けなければならないかが重要なのだ。1枚で1枚を得るか、1枚のために35枚使うか。どちらが有利かすぐにわかるはずだ。