確率~大数の法則の弱点①
大数の法則については説明した。
そしてこの大数の法則がいかにギャンブルをビジネスとして確立させているかも説明した。
カジノにとってたった一人がいくら勝とうが正直痛くも痒くもない。何百何千もの人が何万回も何億回もゲームを繰り返すカジノにおいて、一人が勝とうが、結局は大数の法則のおかげで控除率に応じた利益を毎日平均して得ることができるからだ。数人で見ればゲームの回数も数十回がいいとこだろうが、たくさんの人がゲーム回数を重ねれば重ねるほどその負け、つまりカジノの取り分は控除率に近くなる。
例えばクラップスのゲームは期待値が99.5%という驚異的な勝ちやすさを誇る。この数字だけ聞くとほぼ負け知らずに聞こえるかもしれないが、たとえあなたがクラップスでいくら勝とうとも、ほぼ0.5%に近い利益が毎日カジノには入ってくる。たった0.5%でもカジノにとっては十分な金額なのだ。
この大数の法則がある限り我々は絶対に勝つことができない。
実はこの大数の法則にも弱点がある。弱点と言うと正確ではないが、リスクを分散させ負けるのを先延ばしにする方法である。
実際の数字は計算が難しく、示しても理解するのに時間がかかるだろう。ここでは理論だけを示そう。
大数の法則があるが故に、必ず負ける。これは絶対的な法則で物が上から下に落ちるように変わることのない普遍的な法則である。
しかし、そもそも大数の法則により負けているとはどういうことなのか。
これは一人のプレーヤーだけでは成り立たない。多くのプレーヤーが多くのゲーム回数をこなすからこそ成立するのだ。もちろん一人のプレーヤーでも成立するが、それには膨大な時間ゲームを続けなければいけない。
多くのゲームをしている中でも負けた人勝った人がいるのは言うまでもないが、負けた人の中にも金額に差がある。勝った人の中にも100円でもプラスになれば計算的には勝ったことになる。ギャンブラーとしてはそんなもの勝ったうちには入らないだろう。つまり、この総合的な金額でみたときに、時間がたつにつれ大数の法則が現れてくるということなのだ。
では、個人で見たときにはどのように影響するのだろうか。