確率~ベルヌーイと大数の法則
ベルヌーイは微積分学を確率論に応用した第一人者である。彼の代表的な発見として挙げられるのが「大数の法則」だ。プレー経験者なら知っている人も多いだろう。以前説明はしたが、もう一度おさらいしよう。
大数の法則とは一つ一つの事象の予測は困難だが、多くの試行を行ううちに確率に近い予測ができるということだ。
ルーレットの赤と黒が出る確率は47.37%。10回のゲームではこの数値通りにはでなくても、100回、1000回、10000回と回数を重ねていくうちに47.37%の出現率に近くなっていくということだ。これが大数の法則。
今日ギャンブルがビジネスとして成功するのはこの大数の法則のおかげである。大数の法則があるが故、ギャンブルで勝つことが非常に困難になるのだ。運営側(カジノ経営者)は大数の法則によりその収支を計算できる。ほぼ正確に。
ルーレットの赤と黒だけで見てみよう。47.37%の人が勝っているとする。実際はもう少し複雑だがわかりやすく説明すると、残りの52.63%の人は負けていることになる。一人が1ドルずつ賭ければ、約53ドルの手元に入ることになる。47人に勝った分を配っても利益が出る。大数の法則がある限りこの儲けは揺るがない。必ず53人は負ける。カジノは絶対に儲かるのだ。これと同様にパチンコや競馬など全てのギャンブルに同じことが言える。負ける人数はカジノの確率に従う。それは大数の法則で決まっているのである。
この大数の法則を取り除くことは出来ない。そこで考え出されたのがカジノのベットテクニックなのである。ある一つのパターンを単体の試行として見るのではなく、より出やすい連続の試行で一つの塊とし、どこかで勝ちを拾う。これがカジノの主流なやり方だ。10回以内に1回勝てば利益が出る、5回のうち連続して勝てば利益が出るといったようなテクニックを指す。ここでもまた大数の法則が出てくる。しかし、今度は敵ではない。この大数の法則があるからこそこう言ったテクニックが通用するのだ。
大数の法則はカジノの確率を決定づけるものである。と同時に、我々が勝つチャンスを与えてくれるものでもあるのだ。