確率~期待値が変わるゲーム②
ブラックジャックのカウンティングは思うより単純とはいえ、それほど簡単でもない。
基本的な数え方は前回の記事で説明したが、それだけでは足りない。
重要なのは、デッキのカードをどれだけ配り終えたときにデッキを新しくするかがカギとなる。
カウンティングは時間がたてばたつほどその効力を発揮する。デッキがそろった状態では期待値は通常通り約98%ほどである。時間がたつにつれ出てくるカードに限りが生まれ期待値も変化する。どの段階でデッキを新しいものに交換するかはカジノによって全く異なる。また、そのデッキ数そのものもカジノによって異なる。デッキの半分で交換するのであれば50%、4分の3あたりで交換するなら75%という具合に表記するのだが、ラスベガスではほとんどのカジノで80%ほどを採用していることが多い。
通常デッキの中にプラスチックの板が挟まれており、これが出ればデッキが交換される合図だ。
実はデッキ交換のタイミングはかなりプレーヤーに有利にされている。デッキ交換が深ければ深いほどカウンティングが有効になる。逆に浅ければそれだけ効果は発揮されないのである。
しかし、オンラインカジノではあまり通用しない。カウンティングがより容易くなっているためデッキ交換のタイミングが浅いことが多いのだ。容易いというのは、本場のカジノでは目で確認し、記憶しながら行わなければならないカウンティングも、オンラインカジノではメモを取りながら出来てしまう。
そしてもう一点注意しなければならないのは、いくつのデッキを使っているかである。だいたい1センチメートルを1デッキとするが、前回の記事で紹介した基本的なカウンティング方法で数える数字は、あくまで1デッキの時を基にしている。10のカードが出たとしても純粋に+1ではないということだ。1デッキの場合+3になった段階で期待値は100%を超えているといわれる。しかし、6デッキで行われた場合、たとえ+3になったとしても期待値は100%を超えない。
カウンティングは複数のデッキを使用した場合、より複雑になっていくのだ。